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白内障(cataract。眼科医はcat.(きゃっと)と省略することも。)は手術で治ります。
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白内障日帰り手術

白内障手術の実際

白内障手術を、「目の手術だから恐い」,「手術などうけたことがないから...」というようにこわがっている患者さんがたくさんいらっしゃいます。しかし,歯の治療で,麻酔注射を受けたり,抜歯をしたりといった経験はどなたにでもあることと思います。もちろん,結果が,視力という大切な機能の善し悪しを決定してしまう大切な手術なので,抜歯と比較することはできないかもしれませんが,お腹を切るような外科の手術と比較すれば,白内障手術は,むしろ日帰りで抜歯を受ける場合に近いと考えていただいて良いとおもいます。

実際の手術がどのような流れで進んでゆくのかをご説明しましょう。
手術は,来院---前処置---入室---麻酔---手術---後処置---診察---帰宅,というように進行してゆきます。これらを順を追って簡単に説明してゆきます。手術を日帰りで行うかどうかの判断の基準は,患者さんの意志に左右されることはお分かりになったと思います。そこで,手術がどのように行われるかを知っておくことも,日帰り手術を選ぶかどうかの分かれ目にある患者さんとご家族の方にとっては大切なことです。そこで次の項では,日帰り手術がどのように行われるのか解説いたします。

前処置

当日来院された患者さんは,処置室に入っていただき,胸に心電図の電極をつけ,血圧を測定し,点滴のための静脈針で結果確保の準備を行います。血圧などに問題がある場合は,お薬を投与して血圧を安定させます。そして,点眼薬の麻酔を行い,眼球の回りの皮膚の消毒をします。

入室

手術室の準備ができると,看護婦が患者さんを手術室に誘導し,入室します。この際,特別な手術着に着替える必要はありません。
次に手術室のベッドにあがっていただき,眼球の消毒をします。消毒が完了すると,体全部を包み込むようなカバーが掛けられ,目の部分だけが露出した状態になります。
手術の際に患者さんが目を開き続けなくてもよいように,瞼を広げる機械が掛けられて,麻酔となります。

麻酔

麻酔は,すでに手術室の外で予備麻酔が行われていますので,この段階では補助的な麻酔注射が施されるだけです。注射といっても表面の感覚が麻痺した状態で行われますので,ほとんど痛みはありません。

手術

手術は,患者さんの目の状態によって異なりますが,約20分で終了します。この間患者さんは「まっすぐに光を見てください,下を向いてください,左をみてください,」といったように術者の指示に従って目の向きを変えていただくだけで,手術は進行します。 部分的に軽い圧迫感や,軽度の痛み,しみる感じを感ずることもありますが,ほとんど,「痛い!」と感ずることはありません。

手術の終了時に眼球に薬を投与いたしますが,この時にやや痛みを感じることがあります。これは,すぐに治まってしまうので心配ありません。

後処置(安静)

手術が終了し,体の状態に異常がなければ,直ぐに回復室に移っていただき,化膿止めの点滴を行います。これは約30分で終了しますが,この間は,両目をつむって安静にしていただきます。

点滴の終了後に,係の者から術後に使用する薬についての説明と,術後の安静状態についての説明があります。

診察

手術の結果を判定し,眼球の圧力(目の固さ)を調整するために,一度眼帯をはずして診察を行います。この時,通常は,ぼんやりと曇って見える程度ですが,眼球の状態によっては,視力が改善したことを患者さんご自身が確認できる場合もあります。

診察の後に,軟膏をつけて,眼帯をして,帰宅準備が完了です。

手術中の注意

白内障手術は,手術用の顕微鏡を使用する精密な作業です。手術中の事故を防止するために以下のような点に注意してください。

  1. 手術中は,不用意に体を動かさない
    術野が不潔になり感染がおこることがありますし,思わぬ事故が起こることがあります。身体を動かしたいときには,動く前に申し出てください。
  2. 咳をしたくなったら...
    手術中にタンが喉にからんだり咳をしたくなったら早めに申し出てください。目の中に器具が入っているときに急に咳をすると危険な場合があります。
  3. 目は手術中,器具で開きます
    ご自分で無理に開く必要はありません。
    両目を薄目をあける程度にしていただければけっこうです。
  4. 『痛いな』と感じるときには,申し出る
    手術中は,麻酔の効いた状態では,痛みはほとんどありません。しかし,麻酔が良く効いた状態でも,目を触られたり押されるような感覚は残ります。触られた感じが残っているからといって怖がる必要はありません。
    また,痛みを我慢しないでください。我慢していると,無意識のうちに目に力が入って手術がやりにくくなる場合があります。無理をせずに痛みを感ずることを伝えてください。 麻酔の追加をおこない「痛くない」状態にしてから手術を続けます。
  5. 途中で尿意を覚えたら...
    痛みと同じで,尿意を我慢すると目に力が入って危険です。手術の途中でも処理は可能ですので早めに申し出てください。
  6. 気分が悪くなったら直ちに申し出ること
    我慢すると処置が遅れて致命的な合併症を起こすことがあります。
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眼内レンズの発達

超音波手術の発達と関連して,目の中に移植する眼内レンズにも大きな変化が起きています。
超音波手術の大きな利点は,水晶体を丸ごと摘出する全摘出術や硬い核の部分を壊さないで丸ごと押し出す嚢外摘出法(のうがいてきしゅつ)に比べて小さい(3mm前後の)傷口を開けるだけですので安定した手術が行えることにあります。しかし,以前の眼内レンズはPMMAと呼ばれる硬質のプラスチックでできた6〜7mmの直径のレンズでしたので,結局この大きさまで傷口を広げる必要があったのです。

ところが,超音波手術の発達に伴って,レンズの方にも革新的な進歩が起こりました。レンズを柔らかい折り畳めるような軟性の素材に変更して超音波手術の小さい傷口のままで移植術が行えるようにしたのです。このような軟性素材の実用化に伴って,白内障手術は傷口を縫わないでも終われるようになり,入院なしで日帰りで手術を行う施設がでてくるようにまで手術のシステムが進歩しました。

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