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痛みを止める

痛みを止めるには,麻酔が必要です。当たり前のことですが,眼科の外傷の診察でもこのことはやはり基本なのです。内科の先生が聴診をするときに相手が服を着たままではできないのと同じように,眼科においても相手の目を開かせることは,診察の基本になります。しかし,患者の目痛みが強いときには,いくら言って聞かせても痛みをとるまでは目を開けてはくれません。

通常,目が開けられないほどの痛みがある時には,角膜に何らかの障害が発生しています。ですから,角膜の知覚を麻痺させれば,患者さんは簡単に言うことを聞いてくれるようになりますし,また,感謝してくれるのです(このことは患者の協力を得るために大変重要なことですが)。痛みをとる前に問診をとっておいた方が本当は良いのですが,患者が非協力的なときには,先に麻酔をしてあげてください。

角膜の麻酔のための手順について簡単に述べておきます。点眼麻酔薬 0.4%ベノキシール点眼液(できれば,救急処置室の冷蔵庫にこれが備えてあるといいのですが)麻酔薬1%〜2%キシロカイン注射液点眼麻酔薬がなくても,これで代用が可能です。いづれかを,点眼してみてください。点眼する前に「ちょっと,しみますよ」と声を掛けることが大切です。麻酔薬自体はとても目にしみる薬剤ですから「いたくないよ」といったら嘘になります。私は,子供に点眼麻酔をするときには,「20数えるあいだしっかり目をつむって」と声をかけて,20数えてから目をあけさせるようにしています。そのくらいの間をあければ開眼時に痛みを訴えることはありません。無事に目を開けさせることができれば,次のステップへ進むことができます。

患者が非協力的なとき

患者さんは目の痛みで頭が一杯です。失明の可能性も考えてパニックに陥っている場合も少なくありません。(私の経験では,若い〜中年はじめの女性の患者さんに多いのですが...)相手がヒステリックになっているときには(これは男性にもみられます)高圧的にでても言うことを聞いてくれません。

もし,こちらが高圧的な態度で診療し,その結果(因果関係がなくても)失明すれば,訴訟は免れません。まず,相手の痛みに同情することが必要です。そして,一刻も早く痛みを止めてあげてください。

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