はじめに
近藤眼科 台町クリニック
院長 近藤 義之
老人性白内障は「白そこひ」などという別名があることからわかるように,特別な人だけが罹る病気ではありません。人間が成熟していく過程で避けることのできない,加齢現象の一部なのです。
(加齢現象=老化現象ともいいますが,この言葉はあまり好きではありません。)
どんなに努力をしていても,白髪や顔のシワが増えてきたり,体力がすこしづつ弱ってくるのと同じように老化が進み,白内障は進行してゆきます。そして白内障の進行は,やがて視力の低下をもたらします。
視力の低下は,単に「見る」という感覚器官の機能低下だけではありません。視力低下を放置すれば運動機能や精神的な機能の障害にもつながってくるからです。このような観点からみても,視力障害は,人の感覚機能のなかで最も大切な部分の障害であるとも言えます。
急速に高齢化が進行している日本の社会では,白内障による視力障害への対策は,医学的な問題だけではなく社会的にも重要な問題であります。というのは,このような機能障害の治療をあきらめて放置してしまうことは,手術による治療の機会を放棄してしてしまうこととなり,その患者さん個人ばかりでなく同時に社会的にも大きな損失でもあるからです。
私が,眼外科医として手術に関わってきたのは,このような手術で治せる病気の治療が,医師としての社会的な責任の一つであると考えたからです。そこで,当院では,より多くの人に白内障が「治せる病気」であることを理解していただくことを日常診療のなかの大きな柱のひとつとして捉えています。
このWEB SITEが,白内障による視機能の障害のために不自由を余儀なくされている患者さんにとって,「正常な機能を取り戻そう」という気力を持っていただくための,そして「手術を受ける勇気」をもっていただけるためのお役に立てれば幸いです。
